皆さんは車のメーカー(製造元)とディーラー(正規販売店)を知っていますか?
メーカーとは車を作っている会社の事を言います。例えばトヨタとか、ホンダ、日産などの事を指します。トヨタ、ホンダ、日産と言えばテレビでいっぱいCMが流れていますし、日本を代表する企業なので知らない人はほぼ居ないでしょう。
では、ディーラーの事は知っていますか?
ディーラーとは町で見かけるトヨタのお店など、新車を売っている販売店の事を言います。
ここまで読んで、「メーカーとディーラーって同じ会社なのに呼び方が違うの?」と疑問に思った方もいるかも知れません。これ実は同じ会社じゃないんです!
テレビでCMしてる車のメーカーはあくまで車を作っているだけで、実際に私たちが車を買うのは、メーカーと正規販売店の契約を結んだディーラー(別会社)から買っているんです。
ディーラーは東京トヨタ自動車、関東マツダなど、大体、「都道府県、又は、地域」+「取り扱いメーカー」の名前になっています。
車を買うとき、例えばトヨタなら「トヨタ店」、「トヨペット店」、「カローラ店」、「ネッツ店」とディーラーが異なります。
以前は販売している車も違いましたが、今は各ディーラーが同じ車を販売していますから、購入の際には営業マンと値引き金額を見比べて検討されるのがおススメです。(同じ系列の別店舗だと同じ会社なので値引き額にほとんど差がでません)
また、新車を販売しているディーラーと中古車を販売しているディーラーではやはりサービスが大きく異なります。
新車を販売しているディーラーの方がサービスがしっかりしているのに対し、正規とはいえ中古車販売ディーラーはやはりサービスが劣ります。
中古車の正規販売ディーラーは新車同様の補償がつけられますが、サービスは新車同様ではなく店舗、営業マンの質で大きく異なると思っておきましょう。
ここでは、各メーカーの特徴について説明をしていきます。
・トヨタ
愛知県豊田市に本社をおく、言わずと知れた日本を代表する自動車メーカー。
軽自動車で有名なダイハツやトラックの日野自動車の親会社でもあり、SUBARU(スバル)の筆頭株主です。
最大手らしく車のラインナップも豊富で大衆車から高級車、商用車や公用車まで扱い、ハイブリッド車、水素自動車に早くから力を入れていて、他のメーカーより一歩進んだ技術を持っています。
特徴としては車の完成度が高く、故障が少ない、誰でも扱いやすいよう細かいところが良くできてる、車を売る時、高く買い取ってくれる(リセールバリューが高い)、乗り心地は柔らかめ(浮いてるような乗り心地から魔法の絨毯と呼ばれる事もあります)、値引き交渉可能です。
また、「販売のトヨタ」と言われ、全国どこでもしっかりしたアフターサービスが受けられ、一度購入したらずっと乗り続けられる安心感があります。
なお「レクサス」はトヨタの高級車ブランドでありメーカーではありません。
「レクサス」は海外の高級車(メルセデスベンツ、BMW、アウディ等)の購入層をターゲットにしたブランドで基本的にトヨタより上質な車、セールス、アフターサービスがウリです。
その為、ブランドの価値を下げるような購入時の値引きはありません。(お気持ち程度の値引き、オプションはあるかもしれませんが期待はしない方が良いと思います)
・日産
神奈川県横浜市に本社をおく「やっちゃえ、日産」のキャッチフレーズで有名な自動車メーカー。
三菱自動車、フランスの自動車メーカー「ルノー」と提携関係にあります。
「販売のトヨタ」に対し、「技術の日産」と呼ばれ、高い技術力を持ちながらお洒落で高級感のある車作りが得意なメーカーです。トヨタのライバルらしく車の完成度が高く、乗り心地や静粛性など様々な面で高いクオリティなのが特徴です。また、全体的に女性より男性が好みそうな作りをしているのも特徴です。
日産は様々なスポーツカーを製造しているメーカーで、中でもGT-Rは世界でもフェラーリやポルシェといった高級スポーツカーに並ぶ、トップレベルのスポーツカーを製造しています。
また、電気自動車、自動運転技術にも力を入れていて、この分野では他のメーカーより一歩進んでいます。
値引きについては車種、時期によってだいぶ変わるようですが、交渉自体は普通に可能なので頑張りましょう。
ただ、技術力はあるのに経営陣に問題があり、赤字になったり社長が海外逃亡したりする、ちょっと残念なメーカーです。
・ホンダ
東京都港区に本社をおくバイクやレースにおいて有名なメーカー。
正式には「本田技研工業」といい、本田宗一郎という希代な技術者により創業されました。その名の通り技術が非常に高く、郵便局の配達でおなじみの「スーパーカブ」というバイクは、その完成度の高さから発売から50年経った今でも世界中で売れ続ける超ロングセラーです。またホンダはバイクや車の製造だけに留まらず、耕運機やロボット、飛行機まで作ります。
特にガソリンエンジンの製造に関しては、精度、耐久性に優れ、世界的に高い評価を受けていますが、その反面、電気自動車への取り組みが遅かった為、ハイブリッド車、電気自動車は一歩遅れているのが現状です。
他にも、その高い技術力を生かし、新技術を車に導入したり、小型でも車内を広く作る事が得意で、ミニバンのステップワゴンや軽自動車のNボックスといった「Nシリーズ」は大ヒット商品です。また、ホンダはレースを重視しており、車にもレースで培った技術が組み込まれています。その為、販売している車も良い走りができるよう、スポーツ感が強く、乗り心地は固めとなっています。
車自体は非常に良いのですが、営業などの販売力が弱いと言われています。
値引き交渉は可能ですが車の価格自体が高く、値引き率も低い為、割高感があります。またディーラーの営業マンのプライドが高く、サービスは低いといった話もよく聞きます。特にホンダの中古車販売店はメーカーの目が届きにくいせいか、町の中古車販売店以下の対応のところもあるので注意が必要です。
その為かブランド戦略も弱く、高級車の販売が不振となっています。
乗り心地が固めの車が好き、社内が広くて快適な軽自動車、コンパクトカー、ミニバンが欲しい時に検討するメーカーです。
・マツダ
広島県に本社をおく広島のシンボルとも言える不屈の自動車メーカー。
原爆を乗り越え広島カープを応援する地元密着企業で、独自の技術力を生かして面白い車を作る自動車メーカーです。
過去にロータリーエンジンという小型で高出力という素晴らしいエンジンでレースに参戦し優勝した為、ロータリーエンジン車の参戦が禁止になるという逸話があります。そのロータリーエンジンはスポーツカーや一般車に搭載されましたが、燃費が非常に悪く現在ではロータリーエンジンを搭載した自動車はありません。(中古車ではありますが、デザイン、話題性から人気があり非常に高価となっています)
今では人体工学を生かした車作りをしていて、無駄のない操作ができるようにボタン配置やシート形状が工夫されていたるのが特徴です。また、内装も非常に豪華で、値引き額が少なくても、値段の割に高級感を感じられるような車が特徴です。
また、同じ車であっても複数のパワートレーン(動力)が選べるのも特徴です。
例えば、標準的なガソリンエンジン、軽油で動く力強いディーゼルエンジン、ガソリンと電気のハイブリッド、車種によっては高効率エンジンとターボを合わせたスカイアクティブXというガソリンエンジンもあります。そのうえ、各排気量も違うので、走りの好みや燃費、値段で悩むところかと思います。
好みは分かれますがフロントのデザインを似せている為、パっと見、全て同じ顔に見えます。また販売している車種がSUVが多い為、残念ながら選択肢は広くありません。
装備や内装を考えると非常にコストパフォーマンスが良いのでSUVを購入する際はマツダも検討する価値があると思われます。
・スバル(SUBARU)
元々「富士重工業」という群馬県を拠点とした航空機メーカーでしたが大東亜戦争以降、自動車の生産を開始した自動車メーカーです。
主に走行性能を重視し、航空機で培ったユニークな技術を搭載した車が特徴です。中でも4WD(4輪駆動)と水平対向エンジン、最近では安全性能、衝突被害軽減ブレーキ(アイサイト)はスバルの代表的な技術となっています。
衝突被害軽減ブレーキ(アイサイト)は各メーカー、力を入れているところですが、スバルはいち早く研究を開始し膨大なデータを保有している為、他者より優れていると言われています。
以前はWRCといわれる一般道を走るレースにインプレッサWRCという車で参加し、三菱のランサーエボリューションと共に輝かしい功績を残したり、映画「ワイルドスピード」で使用された事から、「インプ」、「ランエボ」は世界中で人気の車となっています。
そのマニア向けな性能、技術から熱狂的なファンが多く「スバリスト」と呼ばれる事もあります。
車種としては多くないですが、4WDを生かしたSUVや伝統のワゴン車に強みがあります。ただ、優れた走行性能、安全性能に対し、社内の居住空間、内装に関しては他社と比べると、ちょっと劣って見えるかもしれません。
アウトドアが趣味、安全第一の車が欲しいならスバルは検討の価値ありだと思います。
・三菱
名前の通り三菱グループであり三菱商事の関連会社です。
今は日産、ルノーとパートナーシップを締結し、様々な部門で協力関係を築いています。
サッカーの浦和レッズの親会社としても有名です。(浦和レッズはその後独立しましたが、今でも強い関係を持っています)
また、分社化されましたが「三菱ふそうトラック・バス」としてトラックやバスも作っています。(三菱ふそうと日野自動車は経営統合しています)
特徴として4WD(4輪駆動)、SUVといった悪路を走る車の作成に優れ、
過去にはWRCやパリ・ダカールラリーといった一般道や未舗装の道路を走るレースにおいて輝かしい成績を残しています。
また、電気自動車も初期から発売しており、電気自動車に注力している日産と提携した事でPHEV(プラグインハイブリッド)など電気を使う自動車作成にも強みがあります。
特にWRCで活躍したランサーエボリューションシリーズ(通称ランエボ)は漫画イニシャルDに出たり、映画「ワイルドスピード」で使用された事もあり、世界的に人気の車種となっており、生産終了した今でも中古市場で高値で取引されています。
いい車を作っている三菱ですが、2000年、2004年にリコール隠し(欠陥を把握していながら公表せずに車を販売、それが原因で死亡事故が発生した)が発覚し、会社としての信用を大きく失い、顧客、社員、様々な企業が離れ倒産しそうになりました。
その後、日産やプジョー・シトロエンといった企業によって倒産せずに今に至りますが、未だに顧客の信用は完全には戻らず苦戦している状況です。
・ダイハツ
ダイハツは元々大阪で発動機を製造(略して大発)していた自動車メーカーです。
トヨタの子会社であり、主に軽自動車を販売していますが、一部、トヨタの車(普通車)を名前を変えて販売していたりもします。
車のデザインや車種はスズキとほぼ同様でライバル関係にあり、購入の際に、比較は必須です。
特徴としてはトヨタ同様、営業、アフターフォローがしっかりしていて、男性でもお子様を連れた女性でもお店に入りやすい雰囲気があります。
軽自動車を検討なら、まずは入ってみる事をおススメします。
・スズキ
スズキは静岡県浜松市に本社を置く自動車メーカーです。
ホンダ同様バイクや船外機といわれる船につけるエンジンを作っています。バイク業界では市販車で時速300kmを突破した伝説的なバイク「ハヤブサ」を製造した事で有名です。
ダイハツ同様、軽自動車を主に販売していますが、スイフトやエスクードといった比較的小型の普通車も製造しています。
小さい車を作る技術、安い車を作る技術が非常に高く、一芸に特化した車や安く見えるプラスチック、樹脂の素材を可愛くポップに見せる車など、アイデアが溢れた面白い車を作るのが特徴です。
中でも小型車スイフトのスポーティ版、「スイフトスポーツ」はその性能、楽しさ、良心的な値段から「日本の宝」、「国民車」といわれる程の評価を受けていますし、4輪駆動の「ジムニー」はどんな林道、山道にも入っていける本格派アウトドアの車でその高い走破性能、何年経っても飽きの来ない普遍的なデザイン、頑丈なラダーフレームで国内外から高い評価を受ける大人気車種となっています。
元々の価格設定が低く値引き額自体は少ないものの、値引き交渉は可能なので、競合他社(ダイハツ)と比較しながら交渉しましょう。